このような光景はよく目にします。高齢者によっては、なかなか寝付けなかったり、寝返りがうてず身体が痛くて起きてしまったり・・・と様々です。
特に、円背(背中が丸くなっている)方は、寝る時は左右しか向けず、仰向けで寝ることは難しいのが現状です。
また、同じ方向ばかり向いて寝てしまうことも多く、気がづいたら褥瘡(床ずれ)になっていることも多々あります。その褥瘡から感染を起こし、最悪の場合、死に至るケースもありました。そうならない為にも、高齢者本人が気付かないところを、周囲がサポートすることがとても大切になってきます。
私の祖母の場合、眠れないことで物忘れが急にひどくなってしまい、同じものをいくつも購入してしまい、冷蔵庫には同じ食品が並んでいたこともありました。他にも、急に無気力になってしまい、料理を作ることが好きだった祖母は、インスタントラーメンやパンを食べたりと、料理を全くしなくなっていたのです。さらに、お風呂に入らなくなったり、トイレの失敗が続いたりと、急に認知症の出現や悪化もすることもあります。
そこで、祖母がよく眠れないのは何か?原因を考えるのと同時に、枕やクッション、バスタオルなどを活用し、祖母が寝やすい体制を作ってみたのです。すると、不思議なことに、少しずつですが、手作りの料理をふるまったり、こまめに掃除や洗濯をするなど、以前の祖母の動きが戻ってきたのです。「良かった」と安心したと同時に、祖母とよくコミュニケーションを取るようにしたところ、今後の生活に対する不安を打ち明けてくるようになったのです。最近、あまり電話したり、泊まりに行って話を聞いたりしてなかったな・・・と私自身も反省したのでした。
ちょっとした不安やストレス、周囲の気付きがないことが睡眠へ影響し、認知症のような症状出現が起こってしまったかもしれないと実感しました。
高齢者とのコミュニケーションを取ったりと関わりを持ちながら、その人が寝る時に一番寝やすい体制を作るためには、どのようにしたら良いのか?大切となってきます。
そこで、高齢者にとって、どのような枕が適しているのか?紹介していきたいと思います。
高齢化社会と骨粗鬆症の関係
1947年には50歳代だった平均寿命ですが、その後着実に延び続けています。2020年7月31日に厚生労働省が発表した19年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳と前年に比べそれぞれ0.16歳、0.13歳延びました。(引用:日経ビジネス)
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
長年の生活習慣などにより骨の量が減ってスカスカになり、骨折をおこしやすくなっている状態、もしくは骨折をおこしてしまった状態。(引用:公益財団法人 骨粗鬆症財団)
上記の図7(骨粗鬆症の骨の内部)のように、骨がスカスカの状態になります。
寝たきりの原因の第1位が脳卒中、第2位が老衰、第3位が骨粗鬆症による骨折なので、高齢社会が抱える問題の1つにもなっているんです。
特に、背骨は転んだりぶつけてしまったり・・というアクシデントがなくても、徐々に骨が部分的に潰れていってしまいます。人によっては、骨が潰れることにより、痛みや痺れが走ることがあり、急に歩けなくなってしまう場合もあります。
最終的には、上記の図10(身長の低下と骨粗鬆症のリスク)のようにだんだん背中が丸くなってきます。これを円背といいます。
円背の人にとって適切な枕の高さとは?
円背の高齢者が仰向けに寝る場合、普通の人よりも、枕の高さを高くする必要があります。
山田朱織枕研究所と札幌にあるターミナル整形外科の協同研究の結果により、枕の高さを調節した20名の円背の患者様の枕の高さは、同じくらいの体格(身長、体重)で円背ではない方に比べ、5㎜~20㎜(時にそれ以上)高いことがわかりました。(引用:オーダーメイド枕の山田朱織枕研究所)
つまり、普通に売っている枕を適当に置いて寝たとしても、枕の高さが低すぎて合わず、仰向けで眠るのは難しくなります。そうすると、だいたいの高齢者は左右のどちらかを向いて寝ることが多くなり、さらに朝まで寝がえりをあまり打たなくなるのです。
そうすると、身体の痛みが出てきてしまい、途中で起きてしまったり、同じ体制でいることにより、褥瘡が出現しやすくなるのです。
褥瘡(じょくそう)
寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。一般的に「床ずれ」ともいわれています。(引用:日本褥瘡学会)
寝返りの重要性
そもそも寝返りは、「一晩で20回ほど寝返りを打つのが理想である」と、よく言われています。
しかし、実態は最少6回の寝返りで最多は38回と言う個人差の大きなものです。実に6倍以上の開きがあるという驚くべき数値になっているのです。
参考文献:第 50 回日本理学療法学術大会(東京)「健常者における睡眠中の寝返り回数と日間変動の検討」より
理沙さんも、もしかしたら、旦那様の事を寝返りで蹴飛ばしているかもしれませんしねw
高齢者におすすめ枕・クッション
ミントEタイプ凹型【モルテン】MINTNEイエロー
円背の方が仰向けで寝る場合はこちらがおススメ。
ミントEタイプは肩周りをサポートしてくれるので円背の方の体に
ぴったりとフィットしますのでクッションを入れて調整する必要もありません。
寸法:幅83x奥行83×高さ17cm
重さ:約1432g
素材:表地は、ポリエステル。中材は、サイコロ状のポリエステル繊維系ブロック。
トゥルースリーパー セブンスピロー シングルサイズ
ただ、基本的にはその人に合った枕やクッション、バスタオルなども使用し、よりその人が寝やすい体勢を作ることが大切になってきますよ^^
おはよう〜トゥルースリーパーセブンピロー
なかなかいいぞ、寝相悪くて、朝毛布なくなってたのに,今のところ,
そのままの状態だ— まさまさ (@yaki1963) December 28, 2019
特技寝ること、趣味寝ること、寝具が新しくなったらすごいワクワクしながら寝るんだけど、ほんとふわふわの毛布考えた人天才だと思う。最高。あとトゥルースリーパーは買ってよかった。すごい柔らかい。最高
— まーみん (@mmoct31dd) January 10, 2021
ポジショニングの重要性
ポジショニングとは、一般的には、体位どり、位置決めのこと。運動機能障害を有する者に、クッションなどを活用して身体各部の相対的な位置関係を設定し、目的に適した姿勢(体位)を安全で快適に保持することをいいます。(引用:アルメディアWEB)
全く同じ身体を持っている人はいないので、より楽な体勢を一人一人の身体に合わせて作っていく事が大切になってきます。
高齢者施設でのポジショニング みんなで学び、取り組む! https://t.co/XsORbRCYFR #介護士 #介護福祉士 #介護職 #介護職員 #社会福祉士 #ケアマネ #理学療法士 #作業療法士 #看護師 #介護 #看護 #リハビリ #老人ホーム #有料老人ホーム #デイサービス #特別養護老人ホーム #介護施設 #老健 #特養
— ラックヘルスケアチャンネル【YouTube】 (@lac_channel) July 9, 2020
まとめ
・平均寿命が延び、骨粗鬆症や円背になる高齢者が増えてきている。
・円背の場合、枕の高さを普通より高くする必要性がある。
・同じ体勢で寝返りをあまり打たなくなり、褥瘡のリスクが高まる。
・基本的にはその人に合ったポジショニングが重要!
高齢化社会となり、円背になる人も増え、その人に合うような枕やクッションは沢山販売されています。
それぞれの体格や体勢に合わせた、枕やクッション、時にはバスタオルやタオルなども活用し、その人に合った体勢を作り上げていくことが大切になってきます。
私の祖母の場合、ストレス解消に沢山お話ししながら買い物をして、夜はポジショニングを行ってみたところ、少しずつではありますが、以前の祖母らしい生活に戻りつつあります。
高齢者がその人らしく、最後まで生活していくためにも、日々の生活も大切ですが、快適な睡眠もとても大切になってきます。
一緒に生活している家族や、地域の人達など、高齢者に対する周囲のサポートも必要となります。
今後の高齢化社会の課題でもありますが、高齢者を支えつつも、快適な睡眠を提供するためにも、家族と向き合い、生活を一度見直してみてはいかかでしょうか?