睡眠負債という言葉も一度は耳にしたことがあると思います。
私も睡眠負債を自覚するまで時間がかかりました。
健康オタクの妻が色々教えてくれてはいましたが、たかが睡眠不足と甘く見ていました。
なんとなく、睡眠不足くらいのイメージかもしれませんが、睡眠負債は身体や心にびっくりするくらい大きな影響を与えます。
放っておくと、大きな病気に繋がっていくこともあります。
どんな影響があるかわかっていると、大きな病気に繋がる前に未然に防げます。
また、自分が睡眠負債だと気付くきっかけにもなります。
睡眠負債の影響に気付きすぐ対処すれば、不調や辛い状況から脱出でき、健康と日常を取り戻せます。そして、仕事やプライベートの充実に繋がっていきます。
病気になる前に、気づいていくことが大事です。
では、睡眠負債の影響についてみていきましょう!!
睡眠負債の影響とは?
徹夜明けの睡眠不足の状態を思い出してみて下さい。
睡眠不足の時は、日常のパフォーマンスが確実に落ちていますよね。
集中力が落ちたり、ぼーっとしたり、簡単なミスをしたり・・・。
極端に睡眠が足りない時は気付くものの、少しずつ蓄積される睡眠負債の影響に関してはなかなか自覚することができません。
そのため、気付いたら睡眠負債の影響で日常のパフォーマンスが落ちたり、身体に影響が出ている場合が多いのです。
いったいどんな影響があるのか見ていきましょう。
日常生活や仕事への影響
睡眠負債は日常生活にも大きく影響してきます。
・集中力・記憶力の低下
・判断力の低下
・単純ミスが多くなる
・物忘れ
・コミュニケーションへの影響
これらは脳機能の低下によるものです。
脳の有害物質や老廃物の洗い流しは寝ているときのみ行われます。
そのため睡眠が少ないと脳の掃除が出来なくなります。
睡眠不足の時は、脳の老廃物の洗い流しで出来ていないので脳が働いていない状態になります。
睡眠負債の場合は、6時間睡眠を2週間続けると2晩徹夜したのと同じくらいの作業効率がダウンします。
つまり、睡眠負債を続けていくと気付かないうちに徹夜したのと同じ脳の状態になってしまうのです。
注意力散漫になってミスが増えたり、効率が悪くなり仕事や日常生活に支障をきたすケースも。
急な眠気により、大きな事故やケガに繋がる可能性もあり大変危険です。
そして、アルツハイマー型認知症を引き起こしてしまう可能性もあるのです。
脳の病気の原因となる「脳内の老廃物」は熟睡しているうちに除去されるのですが
質の悪い睡眠は老廃物の沈着が起こり、認知機能の低下が早い段階から進行する恐れがあります。
また、通常の場合、寝ている間に記憶や感情が脳によって整理されます。
その結果、怒りや悲しみなどのネガティブな感情を鎮静させるのです。
しかし、睡眠が不足すると、本来されるはずの記憶や感情の調整ができなくなります。
そのため、認知力や判断力などの低下に繋がり、ネガティブな感情が残るというわけです。
それが続くと、自分の感情をコントロールできない状態に陥り、自分の気持ちに余裕がないことで、不安やイライラなどのマイナスな感情を抱きやすくなります。
そうなると、コミュニケーションがうまくとれず、人間関係におけるトラブルに繋がることもあります。
身体への影響
睡眠負債の状態が続くと脳ばかりではなく身体にも大きく影響します。
・疲労感・倦怠感
・免疫力低下
・血圧の上昇
・太りやすくなる
・頭痛
睡眠と身体を繋ぐ重要な部分はホルモンの分泌と自律神経です。
睡眠中は、副交感神経が優位になり、それが血圧や心拍数を正常に保つ役割を果たしています。
しかし、睡眠が足りていない状態だと血圧が下がらず高血圧の状態が続くように。
睡眠が足りていないと自律神経の一つの交感神経が優位になり、活動に必要なホルモンの分泌が血圧や心拍数を上昇させてしまうというリスクも。
寝ている間でも活動しているときと同じ状態になってしまうので、血圧が高くなってしまいます。
もちろん日中にこれらのホルモンが分泌されることは重要なことです。
しかし、睡眠不足だと夜間もホルモンの分泌があり寝ている間も血圧が高い状態になってしまうのです。
高血圧をそのままにしておくことには大きなリスクがあります。
血管の内側が傷ついたり、柔軟性がなくなってしまい、動脈硬化や大動脈破裂を起こすことも。
さらには、脳卒中、心筋梗塞、心不全、肝不全など重大な病気にも繋がります。
ある研究結果では、寝ているときの高血圧は心筋梗塞や脳卒中のリスクを6倍にもあげるという報告もありました。
また、睡眠が十分にとれない状態だと食欲増進ホルモンが活発化し、食欲抑制ホルモンが低下していきます。
身体の代謝機能にも大きな影響を及ぼすため脂肪がつきやすくなり、肥満に繋がりやすくなるという悪循環に陥ってしまうことも。
ホルモンの分泌が乱れることにより糖値や血圧にも悪影響を及ぼし、高血圧や糖尿病、脳卒中などの生活習慣病の発症リスクを高める可能性があります。
このように、身体にも大きな影響を及ぼしていきます。
そのままにしてたら本当に危なかったんだな。
心への影響
睡眠負債は心へも大きな影響があります。
・ストレスの増加
・イライラ・怒りっぽくなる
・自律神経失調症
・やる気がでない、鬱々とする
睡眠不足の時に普段なら気にも留めないようなことでイライラした経験はありませんか?
それは、自律神経が乱れてしまうことが原因です。
自律神経の働きは、起きているときは交感神経が優位になり、行動的に動くことができます。
寝ているときは副交感神経が優位になり、リラックスした状態になり、身体や神経を休めます。
すると、ストレスやネガティブな感情なども睡眠中に整理されていきます。
しかし、睡眠の状態が悪いと寝ているときも交感神経が優位になります。
そうなると心身は常に興奮した状態となり、休む時間がなくなりストレスや感情を整理できすに、どんどん溜まっていくのです。
睡眠負債が続くと、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経失調症やうつ病などの精神病の発症リスクを増大させてしまうのです。
睡眠負債のさらなる恐ろしさ
睡眠負債の恐ろしさは影響ばかりではありません。
睡眠負債についてさらに深くみていきましょう。
睡眠負債は無自覚が怖い!!
身体のどこかに不具合の自覚があっても、睡眠によるものだという自覚がなければ、対処しませんよね。
睡眠負債はちょっとした睡眠不足の積み重ねなので、睡眠が足りていないことに気付きにくいのです。
なんとなく不調だと思っていても、睡眠負債の場合は、「睡眠による不調」という自覚が出にくいのが特徴です。
しかし、自覚症状はなくても脳や体に睡眠負債による影響をもたらします。
睡眠不足という自覚がないため、調子の悪さの原因が睡眠だということに気づかず、症状がひどくなってしまうことが睡眠負債の特徴でとても怖いところです。
そもそも睡眠負債って!?
「睡眠負債」は毎日少しづつ睡眠不足が蓄積され心身へ支障をきたしている状態です。
例えば、8時間がリセットするのに丁度いい睡眠時間の人が、毎日6時間睡眠だとしたら、2時間の睡眠不足の状態になってしまいます。
すると、その2時間の睡眠不足がどんどん蓄積されていきます。
6時間も寝ているから睡眠不足ではないと思っていても、その状態が長く続くと徹夜した時と同じ様な状態になってしまいます。
睡眠負債の症状
では、症状がわかれば、早く対処して手遅れになる前に防ぐことができます。
こんな兆候があったら睡眠負債かも!
起床した時にスッキリ感がない
起きたときに寝た気がしなかったり、だるさを感じることがあると、睡眠が十分ではないので睡眠負債がたまっている状態かもしれません。
午前中に眠くなる
脳の働きが活発になるのは、目覚めてから3時間から4時間くらいたったころです。
そのころに眠くなるのは、睡眠負債が原因といえるでしょう。
よく、昼食後に眠くなることがありますが、これは睡眠が十分な人でもあることです。
体内時計の働きによるもので、午後2~4時は眠気が出てきやすい時間帯です。
ふとんにはいるとすぐ寝てしまう
睡眠負債がない状態では、15分ほどウトウトとまどろんでから睡眠に入っていきます。
そのまどろみがなく、ふとんに入ったらすぐ寝てしまうのは、睡眠が足りていない状態です。
寝つきが良くて健康的だと思われがちですが、実は睡眠負債がたまっており危険な状態なのです。
日常生活の急な眠気
ふとした時に急に眠気が襲ってきてしまうときはありませんか?
電車に乗っているときに急激に眠くなったり、デスクで作業しているときに一瞬気を失っていたり。
これは、睡眠が足りないために脳が回復しておらず、日常で急な眠気に襲われてしまうのです。
生活にも支障をきたしますし、車を運転しているときなどになると事故にも繋がるため大変危険です。
睡眠負債はどうやって解消するの?
自分が睡眠負債だと気付いたら、あとは解消するしかないですよね。
睡眠負債を解消するには、まず睡眠時間を少しでも増やすことです。
そんなこといわれても2時間も増やせないよ、と思われるでしょう。
ですので、平日の忙しいときは15分でも30分でも多くとれるようにしてください。
もちろん時間があるときは1時間でも2時間でも多くとれると解消するのが早くなります。
この時のポイントは、起きる時間は変えないで寝る時間を早くすることです。
たくさん睡眠をとろうと、起きる時間が極端に遅くなってしまうと体内時計が崩れてしまい、夜眠れなくなってしまいます。
起きる時間を遅くするのは2時間までにしておきましょう。
それでも忙しくなかなか夜の睡眠時間は増やせない時があると思います。
その時は「昼寝」を取り入れましょう。
平日は仕事の休憩時間などに10~20分ほど昼寝をします。
机に突っ伏したり、椅子にもたれかかったりして少しの間でも脳を休めるとすっきりします。
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この時にポイントは午後3時までには昼寝を終わらせておくことです。
あまり遅い時間に昼寝をしてしまうと、夜眠れなくなってしまうからです。
休日に時間が取れるときは、午後3時までの間に60分~90分くらい昼寝をしましょう。
これも、午後3時以降になってしまったり、あまり多くなってしまうと、夜眠れなくなってしまうので、タイマーなどをかけて寝すぎないように気を付けてください。
このように、一気に返してしまうと体内時計がくるってしまうので、少しづつ積み重なった睡眠はすこしづつ返していくしかありません。
地道に少しづつ睡眠をとっていき整えていくのが睡眠負債を解消するコツです。
まとめ
睡眠負債は日常生活や仕事への影響、身体への影響、心への影響と、全てに悪影響を及ぼします。
そのままにしていると、心身ともに大きな病気へ繋がっていく可能性があり大変危険です。
睡眠負債は気づかないうちに積み重なった睡眠不足です。
そのため、睡眠負債は無自覚になりやすいので、気づくまでに時間がかかってしまう場合もあります。
睡眠負債の兆候は大きなことではないので見逃しがちです。
症状を知っておくことで早めに気づき対処ができます。
・起きたときのすっきり感がない
・午前中に眠くなる
・布団に入ったらすぐにねてしまう
・日常の急な眠気
このような症状があれば睡眠負債の可能性があります。
睡眠負債を解消するには、15分でも睡眠時間を多くとることです。
その場合、起きる時間は変えずに寝る時間を早くしましょう。
また、昼寝を活用することもオススメ。
平日は10~20分程度、休日は60分~90分程度で午後3時までには終わらせることがポイントです。
不調をそのままにせず、少しでも兆候が見えたら早めに対処して、心身共に健康を取り戻しましょう!!