高価な買い物であるマットレス、できれば長持ちさせたいし、シミひとつないきれいな状態で使用したいですよね。
しかし、マットレスは洗濯ができないにもかかわらず、非常に汚れやすく清潔に保つのが難しいです。
寝るときにかく汗は200mlと言われ、マットレス内に湿気が溜まることでカビの原因になります。
皮脂汚れはダニの格好の餌、ダニの死骸は肌のかゆみや鼻炎につながります。
また、小さな子供やペットと暮らしているのであれば、おねしょや粗相によるシミ汚れも気になるところでしょう。
実は、マットレスプロテクターという寝具を使うことで【汗】【よごれ】【ダニ】【カビ】すべてから、マットレスを守ることができるのです(名前通りの働きですね)。
とはいえ、寝具には他にも、カバーやシーツ、ベッドパッド、敷きパッド、除湿シート、トッパーなど様々な種類があります。
今、シーツや敷きパッドを利用している人は、「わざわざ買い足す必要はないのでは?」と思いませんか?
結論から言うと、寝具はすべて揃える必要はありません。
今ある寝具で満足している人は、マットレスプロテクターは不要です。
ただし、マットレスプロテクターと同等の効果が得られる寝具は他にはない、ということも覚えておいてください。
この記事では、マットレスプロテクターを使うことによるメリット、他の寝具との比較、マットレスへの正しいセットの仕方をご紹介します。
「マットレスによごれをつけたくない」「高価なマットレスを買ったからできるだけ長く使いたい」という人は是非参考にしてください。
マットレスプロテクターはどんな寝具なのか
まず、「マットレスプロテクター」と聞いて、パッと姿形が浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。
そのイメージが浮かばないことには、メリットも必要性もピンとこないのではじめに説明させていただきますね。
マットレスプロテクターは、形状としてはボックスシーツ・布団カバーに似ています。
端がゴムで絞られていてマットレスに被せて装着するタイプと、チャック付きでマットレス全面を完全に覆えるタイプの2種類があります。
個人的には、せっかくのプロテクターなので、全面を守れるチャック付きがおすすめです。
マットレスプロテクター1枚で見た目もおしゃれになるカラータイプ、裏面にのみ防水加工をしてあって表面はふわふわの肌触りが良いタイプ、白地で作られていてシーツを被せても色浮きを気にする必要がないシンプルなタイプなど様々な種類があります。
マットレスプロテクターを使うことによるメリット
マットレスを汗から守る
人は寝ている間にコップ1~2杯分(200ml以上!)の汗をかくと言われています。
薄手のシーツだけでは吸水しきれず、マットレスにシミができてしまったり、カビの発生につながったり。
清潔で快適な眠りをとりたいならば、寝汗対策は必須です。
マットレスプロテクターは「防水シーツ」と言う名称で売られていることもあり、水を通さない加工がされています。
防水加工と撥水加工の2種類があり、違いは以下のとおりです。
防水マットレスプロテクターの種類
①防水加工
表面はコットンやテンセルなど吸水性の高い生地でできていて、裏面に防水ラミネートをしてあるタイプです。
通気性が高いことを売りにしている商品もあり、蒸れ感なく寝ることが可能です。
②撥水加工
吸水性はなく、水分を弾きます。
水分が表面に留まってしまうので蒸れやすいというデメリットがありますが、掃除がしやすいため医療現場で使われています。
マットレスをよごれから守る
子どものおねしょ、ペットの粗相、急な出血などでベッドをよごしてしまうこと、ありますよね。
しかも寝ている最中のことなので対応が遅れがちです。
気づいたら敷きパッドもシーツも越えて、マットレスまで浸水していたなんてことも。
マットレスプロテクターをかけておけば、マットレスに到達させずに、よごれをブロックすることができます。
マットレスをダニから守る
ダニは人間の髪の毛や皮脂よごれ、ホコリ、カビなどを餌にして増殖します。
マットレスをむき出しのまま使用もしくは薄いシーツのみで使用すると、マットレス自体に皮脂よごれが染み込み、ダニが増殖してしまうのです。
ダニが増殖すると、皮膚のかゆみやくしゃみ、咳などのアレルギー反応を起こさせます。
生きているダニだけではなく、死骸やフンもアレルゲンとなるので、定期的な駆除作業が必要です。
マットレスにダニが住み着いてしまった場合の駆除方法は以下の通りです。
マットレスのダニ駆除方法
①布団乾燥機を使う
マットレスと布団の間にホースを挟むだけで、70℃程度の高温でダニを駆除してくれる機械です。
ただし一回当てるだけでは、熱の届かない深部に逃げてしまったダニを殺しきれないため、朝晩二回を3日間ほど続けて行います。
②駆除剤を使う
布団対応のスプレータイプの駆除剤が市販されています。
寝具は直接肌に触れるので安全性には配慮されていますが、敏感肌の方や子供・ペットが居る家庭では、少量から試して異常が現れたらすぐにやめるなど、注意を払って使用してください。
上記の方法だけでは、ダニを死滅させられても死骸やフンが残ったままなので、仕上げにダニ専用クリーナーや掃除機で吸い取る必要があります。
ダニの生命力自体はさほど強くないので死滅させることは容易ですが、何度も乾燥機をかけ、さらにクリーナーを掛ける作業は骨が折れます。
厚みのあるマットレスだと、本当に中心部分まで除去ができているのか不安な面もありますよね…。
はじめから、ダニが入れないマットレスにしてしまえば、この面倒なお手入れから開放されますよ。
薬剤よって防ダニ効果を高めたマットレスプロテクターも存在しますが、防水加工が施された生地は目が詰まっていてダニが通り抜けできないので、マットレス内にダニが入るのを防ぎます。
子供やペットがいる家庭でも安心して使えるのが良いですね。
ダニは50℃の熱で死滅するので、高温洗濯対応(60℃)のマットレスプロテクターを選べば、洗濯だけでダニの駆除ができます。
マットレスをカビから守る
マットレスにカビが生える主な原因は、汗による湿気と皮脂よごれです。
カビは咳やじんましんの原因になるだけでなく、生地が薄くなる・色褪せるなど、マットレスにも悪影響を及ぼします。
マットレスを長く使用するためにはカビ対策は必須と言えるでしょう。
マットレスのカビ対策
①すのこや除湿シートを使う
マットレスは必ずベッドフレームを使用します。
床に直置きしてしまうと、床とマットレスの接地面に湿気がたまり、カビの原因になります。
すのこのベッドフレームは通気性が良いためカビ対策としておすすめです。
ベッドフレームとマットレスの間に除湿シートを敷けば、より効果的です。
②ベッドシーツ・ベッドマットを使用する
マットレスに到達する前にほかの寝具に汗を吸わせることで、マットレスに汗や皮脂よごれが染み込むのを防ぎます。
続けて使用していると、シーツやマットが吸収できる水分量を超えてマットレスに染みてしまうため、こまめな洗濯をすることも大切です。
③マットレスを立てかけて換気する
マットレスに染みてしまった汗を外に逃がすことで、カビの防止につながります。
マットレスの種類によっては直射日光に当てると劣化してしまうため、風通しの良い場所で陰干しするのがおすすめです。
カビ対策は、マットレス内に「湿気を溜めない・汗を吸わせない・溜まった湿気を逃がす」ことが大切です。
マットレスプロテクターをかけておけば、汗がマットレスに到達することがないので、マットレス内に溜まる湿気は最小限で済みますね。
マットレスプロテクターと他の寝具はどう違うの?
他の寝具の特徴(シーツ・カバー・敷きパッド・ベッドパッド・トッパー)
マットレスプロテクターの持つ特徴やメリットは他の寝具にはないのか?
ほかの寝具で代用は可能なのか?
という観点で見ていくために、マットレスプロテクター以外の寝具の特徴もご紹介しますね。
あなたが今使っている寝具はいくつありますか?
シーツ
シーツには、ボックスシーツとフラットシーツという2種類の形状があります。
ボックスシーツは、マットレスの形になっていて、底面に当たる部分がゴムで絞ってあります。簡単に装着が可能ですが、マットレスの厚みやサイズの変更には対応できません。
フラットシーツは、平面の布地なので、自分でマットレスの形に沿って包み整える必要があります。
非常に薄手に生地なので防御力はさほど高いものではありませんが、ホコリや軽度の皮脂よごれからマットレスを守ってくれます。マットレスがむき出しというのは見た目にも良くありませんから、ぜひとも使用していただきたい寝具です。
シーツの特徴
【メリット】
*マットレス上面と側面を、ホコリ・軽度の皮脂よごれから守る
*薄いので洗濯が容易
【デメリット】
*吸水性は高くなく、汗・よごれは貫通してしまう
カバー
シーツと似ていますが、ファスナー付きでマットレスの底面まですっぽり覆うものをベッドカバーと呼びます。取り外しに多少手間がかかりますが、底面まで保護してくれるのが魅力です。
用途はシーツと同じなので、好みでどちらか一方を購入すれば大丈夫。マットレスプロテクターを使わないのであれば、シーツよりカバーを選んだほうが安心です。
カバーの特徴
【メリット】
*マットレス全体をホコリや軽度の皮脂よごれから守る
*薄いので洗濯が容易
【デメリット】
*吸水性は高くなく、汗・よごれは貫通してしまう
敷きパッド
マットレスの上面(人が寝る面)のみを覆う厚手の布地です。
シーツに比べて厚みがあるので、汗や皮脂よごれからマットレスを守る効果も期待できますが、主な用途は、肌触りと寝心地の向上です。ひんやりとした冷感効果があるものから、フワフワの起毛生地まで様々な商品があるので、睡眠時の体温調整にも役立ちます。
敷きパッドの特徴
【メリット】
*季節によって使い分けることで、夏涼しく冬暖かく寝ることができる
*マットレスを汗や皮脂よごれから守ってくれる
【デメリット】
*汗やよごれの量が多いと貫通してしまう
ベッドパッド
マットレスの上面(人が寝る面)のみを覆う厚手の布地です。敷きパッドに似ていますが、ベッドパッドのほうが厚手で、用途も異なります。
主な用途はマットレスのよごれ・劣化防止で、肌触りの良さは考慮されていません。厚みがあるので、汗や皮脂よごれを吸収する力に優れているほか、マットレスが硬すぎるときの寝心地調整としての役割も果たします。
シーツよりも先に敷き、肌には触れないのがベッドパッドの正しい使い方です。
ベッドパッドの特徴
【メリット】
*マットレスを汗や皮脂よごれから守ってくれる
*寝心地を良くしてくれる
【デメリット】
*汗やよごれの量が多いと貫通してしまう
*厚みがあるので、少なからずマットレスの寝心地が変わってしまう
マットレストッパー
見た目はマットレスに似ていて、厚さ5~10cm程のシートです。購入したマットレスが硬すぎる、柔らかすぎるなど、好みの寝心地でないときの補助として使用します。
素材はウレタンが多く、他の寝具と違って洗濯には向きません。
今使っているマットレスの寝心地に満足している場合は買わなくて良い寝具です。
マットレストッパーの特徴
【メリット】
*寝心地を良くしてくれる
【デメリット】
*洗うことができないので、ほか寝具での保護が必須
マットレスプロテクターにしかない強み
ここまで読んでくださったあなたはお気づきだと思いますが
①汗を貫通させない
②よごれを貫通させない
③ダニを貫通させない
④カビの発生を抑える
という4つの強みを持つ寝具は、マットレスプロテクターの他にありません。
防ダニカバーも存在しますが、防水性は兼ね備えていませんし、伸縮性がなく寝心地が悪いという声もあります。
敷きパッドやベッドマットを使えば厚みがでるので、よごれがマットレスまで染みないかもしれませんが不確定要素が強いです。量によってはアウト、ですよね。
マットレスプロテクターを買えば他の寝具は必要ない?
ここまでマットレスプロテクターの良さについてお話してきましたが、もちろんデメリットも存在します。
他の寝具に比べて洗濯による劣化が早い、薄手の生地なので吸水性は高くない、シーツ代わりに使うとシャカシャカ音が気になる、など。
しかし、このデメリットは他の寝具とあわせて使用することで補うことができるものばかりです。
ベッドパッドを使えば吸水性を補えますし、プロテクターの洗濯頻度を減らせます。
プロテクターの上にシーツや敷きパッドを敷けば、シャカシャカ音も気になりません。
マットレスをよごさないための「最後の砦」としてプロテクターが存在していて、その前にはいろいろな兵士が砦を守ってくれているイメージです。
マットレスプロテクターに限らず、どの寝具も、併用して使うことによってデメリットを補い合い、快眠につながっていきます。
今回紹介した寝具の特徴を読んで、自分だったらどの組み合わせで使用するか?考えてみてくださいね。
マットレスプロテクターの使い方
寝具にはそれぞれメリットとデメリットがあり、組み合わせて使うことによってメリットを高めデメリットを軽減できる、ということがわかりましたね。
しかし、それぞれの寝具が持つメリットも、順番を間違えて使っては効果が半減してしまいます。
最後に、寝具をマットレスにセットする順番をお伝えします。
正しい順番でセットして、一番効果が発揮されたベッドで、気持ちよく眠ってくださいね。
正しい寝具のセット方法
正しい順番は、上の図のとおりです。
使わない寝具があれば、その寝具を抜かして、次の寝具をセットすれば大丈夫です。
《セットのポイント》
*トッパーはマットレスと一体
*プロテクターは最後の砦なので、マットレスのすぐそばに
*ベッドパッドは一番の吸水部隊
*シーツ・カバーは表面の軽度なよごれを防ぐ
*敷きパッドは肌に触れる面
まとめ
マットレスプロテクターを使うことで、
*汗・よごれ・ダニがマットレス内に入るのを防ぐ
*マットレス内の湿気が減るのでカビ防止につながる
*マットレスの劣化防止にもなるので長く使うことができる
他の寝具と比較した結果、
*マットレスプロテクターの代用として使える寝具はない
*それぞれが持つメリットを活かすよう、寝具は組み合わせて使うのがおすすめ
どの寝具も、他の寝具にはない特徴と使用目的があって製造されています。
マットレスプロテクターの特徴が、あなたにとってメリットならば、ぜひ使用を検討してみてはいかがでしょうか。
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